
メルマガの配信システムを導入し、毎週、あるいは毎月のように定期的にメールを送っている。しかし、そこから本当に売上や成果に繋がっている実感がわかない、と悩んでいませんか?
メルマガは、手軽に配信をスタートできる一方で、いざ改善しようとしたときに、「どこからどのように手を付けていけばいいのか分からない」という声が非常に多い施策です。多くの担当者や経営者の方が、なんとなく文章を考え直そう、デザインをきれいにしよう、と試行錯誤しますが、思うように数字が伸びずにマンネリ化してしまいます。
日々、多くのお客様のWEBマーケティングをサポートしている私たちのもとにも、「配信は続けているけれど成果が出ない」「どこを直せばいいのか分からない」というご相談が寄せられます。
実は、メルマガ改善の正しいスタートラインは、良い文章を書くことでも、デザインをおしゃれにすることでもありません。
メルマガには、送信ボタンを押してからユーザーが購入に至るまでの、明確なステップが存在します。送信したメールが相手に届き、開かれ、中のリンクがクリックされ、最後に購入される。このステップのどこかで、ユーザーが立ち止まっている(バケツの穴がある)ことに気づくことが、すべての始まりです。
どこに穴があるのかが分かれば、やるべき改善アクションは驚くほどシンプルになります。件名を直すのか、本文を直すのか、それともリンク先のページを直すのか。数字が答えを教えてくれます。
この記事では、感覚に頼るメルマガ運用から抜け出し、具体的なデータを使ってバケツの穴を特定し、確実に売上を伸ばしていくための改善ステップを解説します。配信ツールとGA4を上手に連携させて、本物の成果を追いかけていきましょう。
この記事のゴール
- メルマガ配信ツールとGA4の役割が整理でき、どの数字をどこで測ればいいのかが分かります。
- 開封率やクリック率といったデータから、自社のメルマガのどこに問題(穴)があるのかを正しく診断できるようになります。
- 自社の弱点に合わせた具体的な改善アクションが起こせるようになります。
ただ送り続けるだけのメルマガから卒業し、ユーザーとの繋がりを深めて確実に売上を伸ばすためのステップを、ここから一緒に始めていきましょう。
【現状把握】メルマガの成果を見える化する4つの測定指標

メルマガの改善を始めるとき、まず最初に行うべきなのは現状の数字を正しく把握することです。
メルマガの配信ツールと、ウェブサイトのアクセス解析ツールであるGA4の2つがあれば、改善に必要な数字は揃います。
これら2つのツールがどのように役割を分担して数字を測っているのか、その仕組みを整理しましょう。
① メルマガの配信ツールで測定する「到達率」「開封率」「クリック率」
多くのメルマガ配信ツールには、メールを送信したあとのユーザーの反応を自動的に測定するレポート機能が備わっています。ツールが測定してくれるのは、メールを送ってからユーザーが本文の中のリンクをクリックするまでの行動です。
具体的には、以下の3つの指標を管理画面で確認します。
- 到達率(届いたか?)
送信したメールのうち、エラーにならずに無事にユーザーの受信トレイに届いた割合です。古いアドレスや存在しないアドレスが多く混ざっていると、この数値が下がってしまいます。目安として95%以上を維持するのが理想です。 - 開封率(開かれたか?)
無事に届いたメールのうち、何%のユーザーがメールを開いて中身を見てくれたかを示す数値です。一般的なビジネスでは、15%〜20%以上がクリアしたい目安になります。 - クリック率(押されたか?)
届いたメールのうち、何%のユーザーが本文に貼られたリンクをクリックしてウェブサイトに訪れてくれたかを示す数値です。こちらは1%〜2%以上が一般的な目安になります。
まずは、自社で使っている配信ツールのレポート画面を開き、これらの数値が今どうなっているかを確認してみましょう。多くのツールでは、送信するたびにこれらの数字が計測されているはずです。
② GA4で計測する最終的な「コンバージョン率」
配信ツールはリンクがクリックされたこと、までは教えてくれますが、そのリンクをクリックしたユーザーが本当に商品を買ってくれたか、問い合わせをしてくれたかまでは追いかけることができません。そこで登場するのが、GA4です。
GA4を使えば、メルマガ経由でサイトを訪れたユーザーのうち、何%が最終的な成果(コンバージョン)に至ったかというコンバージョン率を測定することができます。
しかし、ただメルマガからサイトにリンクを貼るだけでは、GA4側はそれがメルマガからのアクセスなのか、通常の検索からのアクセスなのかを区別できません。そこで、UTMパラメータをリンクURLの末尾に付与して配信します。
URLの末尾にパラメータをつけておくことで、GA4は、このユーザーは今週のメルマガからやってきて、そのまま問い合わせをしてくれた!と正確に認識し、売上にどれくらい貢献したかを計測できるようになります。配信ツールでクリックまでを追いかけ、GA4で最後の成果を確かめる。この二人三脚の体制を整えることが、現状把握の第一歩です。
UTMパラメータの作り方はこちら↓
【分析と対策】数字の悪さから改善するべき場所を特定する手順

現状把握のために計測の準備が整ったら、次はいよいよ自社のメルマガに潜むバケツの穴を見つけ出しましょう。
ここで質問です。一般的な企業が送るメルマガの開封率は、平均して何%くらいだと思いますか? 実際の平均的な数値は以下の通りです。
- 一斉配信(全員に同じ内容を送る):平均 10%〜15%
- セグメント配信(興味のある人にだけ絞り込んで送る):平均 30%〜40%
想像よりもずいぶん低い、と思われましたか?
それもそのはず、現代のユーザーの受信トレイには、毎日数え切れないほどの宣伝メールが届きます。その中から、自分に直接関係のないメールは一瞬でスルーされてしまうため、平均値はこれほど低くなってしまうのです。
もし、あなたの会社のメルマガの数値が、この一般的な平均値を下回っている場所(穴)が複数見つかった場合は、出口(コンバージョン)に近い下流のステップから順番に遡って直していくのが鉄則です。
バケツの底が抜けた状態で上から新しい水を注ぎ込まないよう、以下の3つのチェックポイントを、下流(③→②→①)の順番に遡る形でチェックし、あなたが最初に手をつけるべき最優先の穴を特定しましょう。
① 開封率が低いときに見直すべきは「件名」と「差出人名」
開封率が低い場合、ユーザーは本文を読む前に、メールをゴミ箱に捨てるかスルーしてしまっています。どれだけ本文を一生懸命に書いても、開かれなければその努力は水の泡です。
このときに真っ先に見直すべきなのは、メールの件名(タイトル)と差出人名(誰から届いたか)の2つです。
- 件名でユーザーにとってのメリット(ベネフィット)を伝える
件名が、「メルマガ第24号」といった退屈なタイトルになっていませんか? 忙しいユーザーが思わず開きたくなるように、メールを開くことで自分にどんな良いことがあるのかを、具体的かつ簡潔に表現しましょう。 - 差出人名をお店の名前や担当者名にする
受信トレイに届いたとき、差出人名が「info」や「メルマガ事務局」といった無機質な名前になっていると、ユーザーは誰から届いたか分からず、不信感からメールを開きません。会社名や担当者名に設定しましょう。
② クリック率が低いときに改善するべき「本文」の構成
メール内に設置したリンクがクリックされていない場合、ユーザーは本文を読んだものの、興味を持てずにそのまま閉じてしまっている可能性が高いです。
このときに改善するべきなのは、本文のボリュームと、リンク(ボタン)の置き方です。
- 文字ばかりの長い文章を避け、シンプルにまとめる
伝えたいことが多すぎて、ぎっしりと文字が詰まった長いメールを書いていませんか? スマホでメールを読むユーザーにとって、長文は苦痛です。内容は1つのテーマに絞り、箇条書きなどを活用して、30秒でサラッと読めるボリュームに整理しましょう。 - リンクボタンを分かりやすく、孤立させて配置する
文章の隙間にひっそりとリンクのURLが貼られているだけでは、ユーザーは見落としてしまいます。前後の文章から改行を挟んでスペースを空け、専用のボタン画像にするか、太字にしてここをクリック、と分かりやすく目立たせて配置しましょう。ユーザーに迷わせない親切な設計が、クリック率を高めます。
③ 売れない原因はメールとページの内容のズレ
メルマガが最終的な目的、たとえば購入や問い合わせ(コンバージョン)に繋がらない場合、原因はリンクをクリックした先にあるウェブページと、メールに書かれていた内容のズレにあります。
たとえば、メルマガで「今だけ半額セール実施中!」と大々的にアピールしてユーザーの期待を高めていたのに、リンク先のページを開いたら、通常価格の説明が長々と書かれていてどこから割引で買えるのか分からない……。これでは、がっかりしたユーザーはすぐに帰ってしまいます。
メルマガでアピールした約束(オファー)が、リンク先のページでも一瞬で確認できるようにメッセージを一致させること。この、メルマガとページの内容にズレがない状態を作ることこそが、コンバージョン率を上げるためには必須です。
【リスト管理】配信リストをきれいに保つことも重要

件名や本文、ページの導線のズレを直したら、バケツの穴の大部分は塞がりました。しかし、メルマガ運用にはもう一つ、どれだけ良い記事を書いても成果が出なくなってしまう、目に見えにくい盲点があります。
それが、長年溜まった配信リストの汚れ(休眠ユーザーや古いアドレスの放置)です。
配信リストの件数は、多ければ多いほど良いと思っていませんか? 実は、読まないユーザーや使われていないアドレスをそのまま放置して一斉送信を続けることは、メルマガの配信システムにダメージを与えてしまうのです。
① メールの内容を読まないユーザーを放置しておくリスク
5年前に名刺交換しただけの人や、ここ半年間、一度もメルマガを開いていないユーザーに対しても、ずっと一斉送信でメールを送り続けている。この状態は、今すぐ改善する必要があります。
なぜなら、現在のGmailなどのメールシステムは、その送信者がユーザーからどれくらい歓迎されているかを非常に厳しくチェックしているからです。
もし、1万人にメールを送り続けているのに、実際に開いてくれるのが100人(開封率1%)しかいない場合、メールシステムは、この送信者はユーザーに喜ばれない不要なメールを大量に送りつけている、と判断します。その結果、あなたのメルマガは自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられるようになってしまうのです。
迷惑メールフォルダに入ってしまえば、今でも熱心に読んでくれているアクティブなユーザーにすら、メールが届かなくなります。読まないユーザーを放置することは、大切な優良顧客との繋がりまで引き裂いてしまう、非常に大きなリスクを伴うのです。
② 配信リストの具体的なクリーニング方法
このリスクを防ぐために、3ヶ月〜半年に一度は、配信リストのクリーニングを行いましょう。リストの件数を増やすことばかりにとらわれず、きれいに保つことが、結果的に売上を伸ばすためには必要です。
具体的には、以下の2つの整理を行います。
- エラーになるアドレスを削除する
すでに使われていないアドレスや、受信拒否されていて毎回エラーになるアドレスは、ツールの配信リストから完全に削除します。エラーアドレスに送り続けることは、メールシステムからの評価を著しく下げる原因になります。 - 長期間開封していないユーザーをリストから除外する
たとえば、過去6ヶ月間に一度もメールを開いていない休眠ユーザーも、一斉送信リストから除外してしまってよいでしょう。完全に削除する必要はありませんが、普段のメルマガ送信の対象からは外し、全体の開封率を高く保つようにします。
リストの総数が1万人から5,000人に減ってしまうと、一時的に寂しい気持ちになるかもしれません。しかし、本当に自社に関心を持ってくれている5,000人にだけ絞って届けることで、メールシステムからの評価や到達率は上がり、結果としてクリック数やコンバージョン数も以前より増えるようになります。量より質。これが、メルマガを健康に保つための正しい進め方です。
数字のチェックから、最初の改善アクションを起こそう
お疲れ様でした!メルマガをただ送り続ける幽霊施策にせず、成果が出る強いマーケティングツールに育てるための手順について、現状の測り方から課題の分析、そしてリストの管理方法まで、押さえるべきポイントを整理してきました。
最後に、この記事の重要ポイントを3つに整理して振り返りましょう。
- メルマガ配信ツールとGA4を連携させて現状を測る
メルマガ配信ツールでクリックまでのデータを追いかけ、GA4で最後のコンバージョンを確認する計測環境を整えましょう。 - 出口に近い下流のステップから順番に直す
一般的な平均値を目安にしつつ、コンバージョンに近い下流の穴から順番に遡って対策しましょう。 - 配信リストを定期的に綺麗に整理する
読まない休眠ユーザーを放置して送り続けることは、迷惑メール判定の原因になります。定期的にリストをクリーニングして、メルマガが届きやすい環境を保ちましょう。
本当にやるべきことは、データの数字を通してユーザーの反応を観察し、つまずいている場所を修正してあげるという、実直で誠実な対応の積み重ねであると気づいていただけたのではないでしょうか。
明日からできる、スモールアクション
メルマガを意味のある投資に変えていくために、明日からできる小さな一歩をご紹介します。
今すぐ自社のメルマガ配信ツールの管理画面を開き、直近で送ったメールの「到達率」「開封率」「クリック率」を確認してみる
パソコンを開いてデータを確認するだけなら、3分もかかりません。もし開封率が一斉配信の平均値を下回っていたら、次回送るメールの件名に、ユーザーにとってのメリットが書かれているか、見直してみましょう。その小さな変化が、大きな成果(バケツの穴を塞ぐこと)へと確実に繋がっていきます。
感覚に頼る運用はもうやめましょう。目の前にある数字と向き合い、自社のペースで一歩ずつ、届きやすくて喜ばれるメルマガを育てていきたいですね。
