
売上を伸ばすために、何か新しい施策を始めよう。そう決意したものの、具体的に何から手を付ければいいのか分からず、立ち止まってはいませんか?
インターネットで検索すると、SNS、SEO、インターネット広告、メルマガなど、数え切れないほどのやり方が出てきますよね。どれも効果がありそうに見えて、結局今の自社に何が必要なのか判断できない、という悩みは本当に多くの企業で起きています。
日々、多くのお客様からマーケティングのご相談を受ける私たちのもとにも、売上を上げたいけれど、具体的に何をやればいいのか分からないというお悩みが寄せられます。
実は、全体像が見えないまま闇雲に施策を選んでしまうことこそが、お金と時間を無駄にしてしまう最大の原因です。
マーケティングには、外せない重要な基本原理というものがあります。ユーザーがあなたのサイトを見つけてから購入、そしてリピートに至るまでの、漏斗(ファンネル)と呼ばれる仕組みです。
ファンネルとは、入り口からたくさんのユーザーが入ってきても、ステップを進むごとに少しずつ離脱してしまい、最後(購入)までたどり着くのはほんの一部になる、逆三角形のフィルターのような構造を意味します。
裏を返せば、ユーザーの離脱は、このファンネルの決められたステップでしか起きません。つまり、売上を増やすために本当にやるべきことは、新しい施策を闇雲に増やすことではなく、ファンネルの特定のステップで起きている取りこぼし(穴)を防ぐことなのです。
この記事では、このファンネルの仕組みを分かりやすく整理し、どのステップでどのような施策を選べば良いのか、具体的な施策を一覧化して解説します。
この記事のゴール
- マーケティングの基本原理であるファンネルの仕組みが理解でき、売上アップのために今どこを改善すべきかが見えてきます。
- 認知からリピートまで、各ステップに用意された具体的な施策の全体像が手に入ります。
- 自社の予算や人手(リソース)に合わせて、本当に今取り組むべき施策を選べるようになります。
「何からやればいいか分からない」という迷いから抜け出し、成果に直結する最初のアクションを自信を持って起こしていきましょう。
マーケティングはユーザーが絞り込まれる漏斗(ファンネル)である

新しくブログを書こう、SNSを始めよう、と考える前に、まずはマーケティング活動の全体像を整理しておきましょう。
売上を上げるための活動は、一見するとやることが無限にあって複雑に見えますが、本質は非常にシンプルです。すべてのマーケティングは、ユーザーが購入に至るまでの逆三角形のフィルター、つまり漏斗(ファンネル)の形をしています。
① 離脱は決められたステップでしか起きない
サイトに来てくれたユーザーは、決してランダムに、気まぐれにいなくなってしまうわけではありません。ユーザーが離脱する(離れていってしまう)状況は、あらかじめ決まっています。
ユーザーが自社を知り、商品を購入するまでには、5つのステップを順番に通過します。
- 認知:あなたの商品やサービスを知るステップ
- 獲得:メルマガ登録や資料ダウンロードをしてもらうなど、ユーザーと直接繋がるきっかけを作るステップ
- 信頼:お役立ち情報を届けて、関係を深めるステップ
- 販売:お試し商品や、本命商品を購入してもらうステップ
- リピート・紹介:何度も購入してもらい、周りの人に紹介してもらうステップ
この流れは、濾過器(ろかき)のようなものです。上からたくさんのユーザーが入ってきても、ステップを進むたびに少しずつ引っかかり、数が絞り込まれていきます。
つまり、売上が上がらないと悩んでいるとき、ユーザーは消えてしまったのではなく、このステップのどこかで引っかかって離脱しているのです。離脱が起きる場所が分かっていれば、対策はぐっと簡単になりますよね。
② 穴を一つずつ塞ぐだけで、売上は自然と増えていく
売上を伸ばしたいと考えたとき、多くの方が最初に入り口のアクセス数(認知)を増やそうと頑張ります。しかし、これは非常に多くの広告費や労力がかかる、最も大変な方法です。
もっと楽に、そして確実に売上を伸ばす方法は、ファンネルの出口(購入やリピート)に近い下流のステップから順番に、途中にある取りこぼし(穴)を塞いでいくことです。
なぜ下(出口)からなのかというと、購入の一歩手前で迷っているユーザーから救い出す方が、最も早く、確実に売上に繋がるからです。出口の穴を塞いだ上で、少しずつ上流の改善へと進めていきます。
簡単な算数で考えてみましょう。たとえば、1万人のユーザーがサイトに訪れているとします。
- 改善前のサイト:ファンネルのステップでどんどん離脱してしまい、最終的に購入してくれるのは「1%(100人)」。
- 改善後のサイト:下流のステップから順番に離脱(穴)を防ぎ、購入してくれる割合を「2%(200人)」に改善。
どうでしょうか。サイトに来てくれるユーザーの数は1万人のまま変わっていないのに、下流から順番に穴を塞いでいくだけで、売上は増える可能性があるのです。これこそが、ファンネルに沿ってサイトを改善していくことの、最大のメリットです。
では、具体的にどんな施策を使ってその穴を塞げばいいのでしょうか。それぞれのステップごとに具体的な解決策をご紹介します。
ファネル別・マーケティング施策一覧

自分たちのウェブサイトのどこでユーザーが立ち止まっているのか(穴があるのか)が分かったら、次はその穴にぴったりの栓(施策)を選びましょう。
ここでは、認知からリピートまでの5つのステップごとに、世の中に存在するほぼすべての主要なマーケティング施策を網羅してご紹介します。自社の課題に合わせて、最適な施策をマップから見つけ出してください。
① 認知フェーズ:自社を知ってもらうための出会いの施策
まずは、ファンネルの入り口である認知を広げるための施策です。ここでは、出会い方(流入経路)の特性に合わせて、さらに細かく5つの方法に分類できます。
A. SNSを活用する方法
ユーザーとの距離が近く、拡散力が高いのが特徴です。
- Instagram(インスタグラム):10代〜40代の男女に幅広く届く王道のツール。ストーリーに直接リンクを貼れるため、サイトへの誘導もしやすいですが、魅力的な写真や動画を投稿するセンスが求められます。
- Facebook個人投稿:実名登録が基本のため、特別なセンスがなくても、友人や知り合いからリアクションをもらいやすいのが特徴です。BtoB(企業間取引)の繋がりにも向いています。
- Instagramライブ:フォロワーとの繋がりを強める生配信。ライブ限定の割引などを用意することで、その場で商品を購入してもらうことも可能です。
- X(旧Twitter):若い世代への拡散力が高いツール。文章のインパクトが重要になるため、もともとSNSで文章を書くのが好きな人に向いています。
- YouTube:文章では伝えにくい商品の魅力をじっくり伝えるのに有効です。短期間で急に伸びることは少ないため、広告やSEO対策と組み合わせてじっくりファンを作っていく使い方が基本になります。
- TikTok:60秒以内の短い動画で、若い世代に圧倒的な拡散力を持つツール。始めたばかりの動画でも多くの人に見てもらえるチャンスがあります。
B. 自社メディアを運営する方法
資産として残り、最も安定した集客効果を生み出す王道の方法です。
- Googleマップ対策(MEO対策):店舗を構えるビジネス(飲食店やサロンなど)に極めて有効。写真の投稿や、日々の口コミ管理(返信など)を誠実に行うことで、上位表示されて来店に繋がります。
- SEO対策:検索エンジンで上位表示を狙う方法。悩みやトラブルの解決策を探している、購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできます。時間はかかりますが、完成すれば最も安定した集客基盤になります。
- ブログ・ホームページ制作:自社の顔となる場所。社長の想いや会社のこだわりをコツコツ発信することで、ファンや採用希望者の信頼を獲得します。
- プレスリリース:メディア(テレビや雑誌など)にニュースとして取り上げてもらう方法。社会的な信頼と大きな認知を一度に獲得できるチャンスがあります。
C. インターネット広告やリアルな宣伝を使う方法
費用をかけることで、短期間で確実に認知を広げる方法です。
- Facebook・Instagram広告:少ない予算から簡単に始められる、現在最も費用対効果が高いとされる広告です。ただし、自ら検索して探しているユーザーではないため、キャッチーな画像やテキストで目を惹く工夫が必要です。
- Google広告(PPC広告):検索しているユーザーに直接表示するため、購入に繋がりやすいのが特徴。利益率の高いビジネス(不動産や美容関連など)に特に向いています。
- YouTube広告:低予算から始められ、認知を広げる広報活動として優秀です。
- インフルエンサー活用:影響力のある有名人を起用して好印象を作る方法。起用するインフルエンサーの質(ユーザーからの反応率の高さ)を見極めることが重要です。
- チラシ・DM(ダイレクトメール):地域が限定されたビジネスや、特定の業種へ直接アプローチしたいBtoBビジネスに、一定の効果を発揮します。1回で諦めず、定期的に送り続けることが成果を出すコツです。
D. 広報やメディア出演(テレビ、本、雑誌など)
圧倒的な知名度と社会的な信頼を一度に手に入れる方法です。
- テレビ出演:マスメディアの力で一気に知名度を上げます。放送直後はアクセスが急増するため、事前にユーザーを受け入れる登録フォームやプレゼントを準備しておくことが鉄則です。
- テレビCM・ラジオ・雑誌掲載:広告としての即効性よりも、企業のブランド価値を高めたり、採用活動で「テレビで見たことがある会社」という安心感を与えたりするのに有効です。
- 出版(商業出版):自身の知識を体系化した本を出すことで、著者のファンになってもらい、高単価な仕事の依頼に繋げる方法です。
E. 専門媒体やモールの力を借りる方法
すでにお客さまが集まっている巨大なプラットフォームに乗っかる方法です。
- 楽天市場・Amazon(ECモール):膨大な買い物客が集まる場所。競合も多いため、いかに自社を見つけてもらい、口コミの評価を高められるかが勝負になります。
- eBay・ふるさと納税:海外展開や、自治体の力を借りるふるさと納税など、特別な販路を使って自社商品をアピールします。
- クーポンサイト・クラウドファンディング:期間限定の割引で新規客を呼び込んだり、まだ世の中にない目新しい商品をアピールして資金と認知を同時に集めます。
- 展示会:BtoBの取引や、卸先を開拓するためのリアルな出会いの場として活用します。名刺交換のあとの地道な営業活動が重要です。
② 獲得フェーズ:繋がりを作るためのきっかけの施策
認知のステップで自社を知ってくれたユーザーに対し、直接繋がるためのきっかけ(接点)を作るステップです。
ユーザーが喜んで一歩を踏み出せるよう、魅力的な無料のプレゼントを用意するのがセオリーです。
- ホワイトペーパー(PDF小冊子ダウンロード):ユーザーが興味を持つノウハウをまとめたPDFをプレゼントし、引き換えにメルマガやLINEに登録してもらう方法。複数用意してPDCAを素早く回すことが大切です。
- 動画視聴:お役立ち情報の動画をプレゼントする方法。PDFに比べてスマホで手軽に見てもらいやすいため、登録率を高めることができます。
- 商品プレゼント:「抽選で〇〇名様にプレゼント」などといったような企画。
- 診断サイト:簡易的な診断など、ユーザーが知りたいと思っている心理を活用して自然に登録を促す方法です。
- キャンペーン応募:期間限定の割引やプレゼントキャンペーン。ただし、最近は無料でもらえるのが当たり前になっているため、他にはない魅力的な内容にする工夫が必要です。
③ 信頼フェーズ:関係を深めてファンになってもらうための施策
繋がりができたユーザーに対して、日々のコミュニケーションを通じて、「この会社なら安心かも」「ここの情報は役に立つ」と信頼してもらうためのステップです。
- メールマガジン配信:30代以上やBtoBのマーケティングに極めて有効な、信頼構築の王道ツール。深い悩みに対して、長い文章でじっくりと専門知識を伝えるのに向いています。
- LINE公式アカウント:メルマガよりも手軽に始められ、何よりユーザーの開封率が圧倒的に高いのが特徴。ただし、不要な情報を送りすぎるとすぐにブロックされるため、短くても本当に役立つ情報に絞って配信します。
- ショート動画配信:YouTubeショート、Instagramリール、TikTokなどの短いお役立ち動画。日々配信することで、視覚的に信頼を獲得できます。
- マーケティングオートメーション(MA):ユーザーの行動(サイトを見た、特定のページを読んだなど)に合わせて、最適なタイミングで自動的にメールを送る仕組み。BtoBやECサイトで特に効果を発揮します。
④ 販売フェーズ:最初の決断と本命商品の施策
自社を信頼してくれたユーザーに対して、まずはハードルの低いお試し商品を買ってもらったり、最終的に一番売りたい本命商品の提案をするステップです。
A. お試し商品(フロント商品)の施策
まずは一度体験してもらい、購入の心理的ハードルを下げるための施策です。
- 初回割引・クーポン:「初回限定20%オフ」など。200円引き程度では効果が薄いため、思い切ったメリットを提示します。
- セミナー・勉強会・ウェビナー:1対多人数で、商品の良さや専門知識を実際に体験してもらう場。地方や夜間しか参加できない層にはオンライン(ウェビナー)が有効です。
- 説明会・体験会・個別相談会:特に高単価な商品を販売する場合は、いきなり売るのではなく、まずは1対1の個別相談を無料で行うことで、成約率を劇的に高めることができます。
B. 本命商品(メイン商品)の施策
体験して満足してくれたユーザーに、メインの商品を提案し、顧客単価や利益率を高める施策です。
- パッケージ商品(セット販売):単品を組み合わせて魅力的なセットにし、顧客単価を上げます。
- まとめ買い特典:「〇個まとめて買うと送料無料・割引」など。利益率を確保しつつ、多くの商品を購入してもらう仕組みです。
- 定期購入・サブスクリプション:売上の土台を安定させる最強のモデルですが、解約率を下げるための地道なフォローが欠かせません。
- 高付加価値メニュー・店販商品:通常メニューよりさらに質の高いサービスや関連商品を、価値を十分に理解してくれた顧客に提案します。
⑤ リピート・紹介フェーズ:何度も選ばれ、繋がっていくための施策
一度購入してくれた顧客に、何度も繰り返し購入(リピート)してもらったり、さらに新しいお友達を紹介してもらう、ファンネルの最も底にある重要なステップです。
- 友達紹介割引:すでにファンになってくれている顧客から、身近な人を紹介してもらう、最も強力な集客方法。紹介しやすい仕組みを作るのが効果的です。
- ポイントシステム:ポイントが貯まる楽しさを提供してリピート率を高めます。紙のカードではなく、スマホで管理できるデジタルポイントが今や主流です。
- SNS割引(投稿特典):インスタにハッシュタグをつけて投稿してくれたら割引など。パッケージや商品自体を写真映えする見た目に工夫することで、自然な口コミ(紹介)を発生させます。
- LINE公式アカウントのクーポン配信:リピート客向けに、定期的にお役立ち情報や限定クーポンを届けることで、離脱(他社への乗り換え)を防ぎます。
- 回数券:何度も通う必要があるサービスには、お得な回数券を用意します。購入頻度を高め、顧客の離脱を防ぐ最もシンプルな方法です。
自社のリソースと難易度から施策を選ぶコツ

これだけの選択肢があると、目移りしてしまいますよね。
ここで陥りがちなのが、あれもこれもと一度に手を出しすぎて、すべてが中途半端に終わってしまうパターンです。限られた時間と予算の中で確実に成果を出すためには、自社の現状に合わせて、やるべきことを絞り込む必要があります。
① 難易度と必要な労力から現実的な施策を見極める
施策を選ぶときに最も大切なのは、自社の体力(予算と人手)に見合っているかどうか、という視点です。難易度と必要な労力の2つの指標を掛け合わせて考えてみましょう。
- 難易度(スキルや知識の必要性)
特定のスキルやセンス、専門知識が必要な施策ほど、難易度が高くなります。たとえば、SEO対策やYouTube動画の制作などは、ある程度の専門性が必要なため難易度は高めです。一方で、Facebookの投稿やLINEのクーポン配信などは、誰でも手軽に始められるため難易度は低めになります。 - 必要な労力(人手や時間)
施策を運用するために、どれくらいの人手がかかるかです。たとえば、SEO対策やオウンドメディアのブログ運営は、専任に近い労力が必要になります。
もし、あなたが他の業務で忙しい中、一人でマーケティングを担当しているなら、難易度も労力も高いSEOやYouTubeから始めるのは現実的ではありません。まずは、難易度も労力も低いけれど出口に近い、手元のリソースで回せる小さな施策から確実に始めていきましょう。
② 効果が出るまでの平均目安期間をあらかじめ想定しておく
施策によって、着手してから一定の効果が出るまでの平均目安期間(日数)はまったく異なります。これをあらかじめ頭に入れておかないと、2週間で効果が出ないから失敗だ、などと判断して、途中で挫折してしまう原因になります。
目安期間の違いに沿って、自社の目的に合わせた施策選びをしましょう。
- 即効性を求める場合(目安期間:1日〜30日程度)
今すぐ来月の売上を何とかしたい、という場合は、効果が出るまでの日数が短い施策を選びます。たとえば、プレスリリース(1日)やチラシ配布(30日)、インターネット広告(15日)など。短期間でユーザーを集める力がありますが、費用や一時的な手間がかかります。 - 長期的な安定を求める場合(目安期間:180日〜360日程度)
時間はかかってもいいから、将来的にお金をかけずに集客できる土台を作りたい、という場合は、日数がかかる施策を根気強く育てます。たとえば、ホームページ制作やSEO対策・ブログ運営などです。これらは1年がかりのプロジェクトであることを理解した上で、腰を据えて取り組む必要があります。
このように、難易度、労力、そして効果が出るまでの期間という3つのものさしを持つことで、今の自社のリソースで、最も無理なく始められて、狙った時期に成果が出る施策を選び取ることができるようになります。
自社のバケツの穴は、どうやって見つければいいの?

ファンネルの仕組みや、穴を塞ぐための具体的な施策が分かったところで、では、そもそも自社のバケツのどこに穴が空いているのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。ここでは、その穴を特定するための具体的な診断方法をご紹介します。
診断の基本となるのはGA4ですが、普段から使っているツールや、実態のお客様の声と組み合わせるだけで、十分に穴の場所を特定できます。
① 認知フェーズ:そもそも、サイトの存在は知られているか?
最初の入り口である認知のステップに穴が空いている場合、そもそもサイトにユーザーが十分にたどり着いていません。せっかく用意した商品やサービスも、知られていなければ意味がありませんよね。
- 使うツール:GA4、Googleサーチコンソール
- 見るべきデータ
- サイト全体のアクセス数が、目標とする数に達しているか。自社サイトが検索結果に表示された回数、クリックされた回数が少なくないか。
- 診断のポイントこれらの数値が低い場合、まだユーザーにサイトの存在が十分に知られておらず、認知の段階に大きな穴があります。多くの人にサイトを見つけてもらうための施策が必要だと分かります。
② 獲得フェーズ:サイトに来たユーザーが、期待する次の行動を起こしてくれているか?
サイトに訪れてくれたユーザーが、次の行動を起こさずに帰ってしまっている場合、せっかくの出会いを活かせていないことになります。
- 使うツール:GA(コンバージョンレポート、またはイベントレポート)
- 見るべきデータ
- サイト訪問者のうち、してほしい行動(メルマガ登録や資料DLなど)を達成してくれた人の割合はどうか。
- 診断のポイント:ユーザーにとって次の行動を起こすメリットが分かりにくい、または導線が不親切であるなどの課題が考えられます。
③ 信頼フェーズ:興味を持ってくれたユーザーが、情報を見てくれているか?
自社に興味を持ってくれたユーザーが、自社の発信する情報をしっかりと読み込み、信頼を深めてくれているかを確認するステップです。メルマガやLINEに登録したり、ブログ記事を読んだり、実績ページを見たり、さまざまな情報を集めて納得(信頼構築)した上で、次の決断へと進んでいきます。
- 使うツール:GA4、SNSの分析画面、メルマガやLINEなどの配信ツール
- 見るべきデータ
- お役立ち記事や、会社概要、事例紹介ページなどの閲覧数(表示回数)や平均エンゲージメント時間が極端に短くないか。SNSの投稿がどれくらい見られているか。メルマガやLINE配信の開封率やメッセージ内リンクのクリック率はどうか。
- 診断のポイントユーザーが納得するための情報が不足している、または発信している内容がユーザーの求めているものとズレている、といった課題が考えられます。
④ 販売フェーズ:購入や申し込み画面で、つまずいていないか?
購入や問い合わせの一歩手前まで進んでくれたユーザーが、最終局面で離脱している場合、最も成果に直結する大きな穴が空いている可能性が高いです。
- 使うツール:GA4
- 見るべきデータ
- サイト内のユーザー行動の一連のステップの中で、ユーザーの数が大きく減少している場所はないか。
- 診断のポイント:特定のステップでユーザーが70%〜80%以上減っている場合、そこに販売の段階に大きな穴があります。フォームの入力項目が多すぎる、エラー表示が分かりにくい、スマホでの操作がしにくいなど、サイトの使いにくさ・操作性に原因があると考えられます。
⑤ リピート・紹介フェーズ:一度買ってくれたお客様が、また戻ってきているか?
一度購入や契約してくれたお客様が、リピートしてくれなかったり、周りの人に紹介してくれない場合、長期的なビジネスの成長は望めません。ウェブサイトのデータだけでは見えにくい部分ですが、実態のお客様に目を向けることが重要です。
- 使うツール:顧客管理システム(POS、ECの管理画面、SFAなど)、お客様アンケートやヒアリング
- 見るべきデータ
- 2回以上購入している顧客の割合(リピート率)や、顧客単価が、目標とする数値に達しているか。
- 診断のポイント購入後のフォロー不足や、顧客満足度が十分に高まっていない、といった課題が考えられます。
いかがでしょうか。このように漠然とした不安ではなく、具体的なバケツの穴の場所を特定することが大切です。
まずは自社のファンネルのどこに穴があるかを確認しよう
お疲れ様でした!売上を伸ばすためにどのようなマーケティング施策を選び、実行していけば良いのかについて、押さえるべきポイントを整理してきました。
最後に、この記事の重要ポイントを3つに整理して振り返りましょう。
- マーケティングはユーザーが絞り込まれる漏斗(ファンネル)
ユーザーは気まぐれにいなくなるわけではありません。自社を知ってから購入・リピートに至るまでのステップの中で、どこかでつまずいて離脱してしまうのです。 - 改善は下流(出口)のステップから順番に行う
闇雲に入り口のアクセス数を増やそうとするのではなく、購入や成果に最も近い下流の穴から順番に塞いでいくことが、最も効率よく売上を伸ばすコツです。 - 自社の体力(リソース)と目安期間で施策を選ぶ
自社の人手や難易度、効果が出るまでの平均目安期間を考慮して、今最も現実的に取り組める施策を選びましょう。
マーケティング施策と聞くと、世の中にあるすべての流行りの手法を追いかけなければいけないような、途方もないイメージを持っていた方も多いかもしれません。
しかし、本当にやるべきことは、自社のファンネルのどこに穴があるかを特定し、そこを塞ぐための施策を1つずつ実直に試していくことであると、気づいていただけたのではないでしょうか。
明日からできる、スモールアクション
売上を伸ばすためのアクションとして、明日からできる小さな一歩をご紹介します。
GA4のデータ、または実際の問い合わせ件数など、自社の持っている情報を見ながら、ウェブサイトで最もユーザーがいなくなっている(離脱が多い)と思われるステップを1箇所特定してみる
たとえば、問い合わせ画面までは進んでいるのに完了していない、といった具体的な数字のギャップを1つ見つけるだけでもOKです。その1つの穴を塞ぐための施策を選んで実行することが、売上アップへの確実な最短ルートになります。
